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企業VPと会社紹介動画の違い|使う場面から決める、作る前の整理

会社の紹介動画を作ることになり、制作会社に相談すると「VPですか、会社紹介動画ですか」と聞かれることがあります。どちらでもいいと思っていると、見積もりや提案の前提がずれたまま進んでしまいます。

先に書くと、企業VPと会社紹介動画は、明確に線が引かれた別のものではありません。同じものを指して使う会社も多くあります。ただ、使われ方には傾向があり、それを知っておくと、依頼の段階で話がそろいます。

この記事では、呼び名の違いと、見せる場面ごとの選び方、作る前に決めておくことを整理します。

  • 企業VPと会社紹介動画は何が違うか
  • 見せる場面から決める
  • 長さと構成の違い
  • 迷ったときの4つの問い
  • 作る前に決めておくこと
  • 1本で済ませるか、分けるか
  • 依頼するときの伝え方
  • よくある失敗
  • 公開したあとにやること
  • まとめ

企業VPと会社紹介動画は何が違うか

VPは、ビデオパンフレットの略です。紙のパンフレットを映像にしたもので、もとは展示会や来客対応、商談の場で流すために作られていました。会社紹介動画は、会社を紹介する動画全体を指す広い言葉で、Webサイトやプレゼンで使うものも含みます。

つまり、VPは会社紹介動画の一種と考えると分かりやすくなります。ただ、実務での使い分けには傾向があります。

企業VPと会社紹介動画の違い

企業VP 会社紹介動画
主な場面 商談・展示会・来客・会社説明会 Webサイト・SNS・採用ページ
見る人 見に来た人、席に座っている人 検索やリンクから来た人
長さの傾向 3〜10分程度 1〜3分程度
見られ方 最後まで見てもらえる前提 途中で閉じられる前提
音声 音を出して流せる 音を出さずに見られることが多い
中身 事業・強み・体制・実績を順に説明 最初の数秒で要点を出す

この表は傾向であって、決まりではありません。制作会社によって呼び方が違い、同じ会社が両方の意味でVPと呼ぶこともあります。だから、呼び名で合わせようとせず、次に書く「どこで、誰に見せるか」を先に伝えるほうが確実です。

見せる場面から決める

動画の形は、見せる場面で決まります。場面ごとに、見る人の状況が違うからです。

商談・来客の場面

相手は、すでにあなたの会社に興味を持って席に座っています。時間もあります。ここでは会社の全体像を順序立てて説明する動画が向いています。事業の内容、強み、体制、実績を、口頭で説明しきれない部分まで補えます。

展示会の場面

通りがかりの人が足を止める場です。長い動画は最後まで見られません。音が出せない会場もあります。音がなくても分かり、途中から見ても分かる、短くて繰り返せる動画が向いています。モニターの位置ごとの作り分けやループのつなぎ方は、展示会で流す動画にまとめています。

Webサイトの場面

トップページや会社概要に置く場合、見る人の目的はさまざまです。取引先の確認、求職者、営業先の担当者が混ざります。ここでは最初の数秒で「何の会社か」が分かることが最優先です。長くするより、短く作って、詳しい内容はページ側に任せるほうが読まれます。

採用の場面

求職者は、会社の説明より働いている人と仕事の様子を見たいと思っています。この場合は、会社紹介というより採用動画として別に作るほうが、目的に合います。

営業・提案の場面

営業担当がメールやチャットで送る動画です。開いてもらえるかどうかが最初の関門なので、短いほうが有利です。

長さと構成の違い

長さは、見る人が使える時間で決めます。

  • 短い動画(1分前後):何をしている会社か、誰の何を解決するか、の2点に絞る
  • 標準の動画(2〜3分):事業、強み、実績を1つずつ入れる
  • 長い動画(5分前後〜):体制、工程、社員の声、沿革まで入れる。見る人が座って見る場面向け

長い動画を作ったときは、短く切り出した版も一緒に作ると使い回せます。展示会では冒頭の30秒、SNSでは強みの部分だけ、というように、1本の素材から場面別に出せるからです。逆に、短い動画を先に作ってしまうと、あとから長い版を作るときに撮り直しが必要になります。

迷ったときの4つの問い

呼び名で迷ったら、次の4つを社内で確認します。

  1. どこで流すか:商談の場か、Webか、展示会か
  2. 誰に見せるか:取引先か、求職者か、まだ会社を知らない人か
  3. 見たあとにどうなってほしいか:問い合わせか、来社か、理解か
  4. 音を出せるか:出せない場面が多いなら、字幕を前提にする

この4つが決まれば、VPか会社紹介動画かの呼び名は、どちらでも構いません。制作会社にこの4つをそのまま伝えるのがいちばん話が早いです。

作る前に決めておくこと

制作の前に、次の6つを決めておくと手戻りが減ります。

会社紹介動画を作る前に決める6つのこと

1. 見せる場面と見る人

先に書いたとおりです。ここがずれていると、完成してから「使いどころがない」となります。

2. 伝えることを3つまでに絞る

会社には言いたいことが多くあります。ただ、動画で覚えて帰ってもらえるのは、せいぜい3つです。事業の中身、他社との違い、実績、のように優先順位をつけて、入れないものを決めます。

3. 出す人と撮る場所

代表が話すのか、社員が話すのか、ナレーションにするのか。撮影する場所はどこか。出演者の日程と撮影場所の調整が、いちばん時間がかかります。決めるのが遅れると、公開日がずれます。

4. 実写かアニメーションか

実写は、人や現場の空気を見せるのに向きます。アニメーションは、目に見えないサービスや仕組みを説明するのに向きます。判断のしかたは、サービス紹介動画はアニメと実写のどちらを選ぶか|向き・不向きと決め方にまとめています。両方を組み合わせる形もあります。

5. 完成後の使い道と更新

動画は、作ったあとに内容が古くなります。事業内容や人員が変わったとき、どこを差し替えられるように作るかを、最初に決めておきます。差し替える部分を別素材にしておくと、全部を作り直さずに済みます。

6. 確認する人と、確認の回数

社内で誰が最終確認するのかを決めます。確認する人が途中で増えると、修正が終わらなくなります。依頼のまとめ方は動画編集を外注するときの注意点|失敗しない指示書の作り方に、項目を書いています。

1本で済ませるか、分けるか

場面が複数あるなら、1本で全部をまかなおうとしないほうがうまくいきます。

1本にまとめる 用途別に分ける
向く場合 場面が1つ、または数が少ない 商談・Web・採用など見る人が違う
良い点 制作の窓口と確認が1回で済む 見る人に合わせた内容にできる
注意点 どの場面にも中途半端になりやすい 最初に共通素材の撮影計画が必要

分ける場合でも、撮影は1回にまとめられます。同じ日に、長い版と短い版に必要な素材をまとめて撮っておくと、あとから足すときの費用と手間を抑えられます。撮影の窓口を1つにする考え方は、Webと動画を一括で依頼するか、分けて頼むか|違いと決め方でも書いています。

依頼するときの伝え方

制作会社には、次の内容をそのまま渡せば足ります。

  • 見せる場面と、見る人(商談、展示会、Web、採用など)
  • 見たあとにしてほしいこと
  • 伝えたい内容の候補と、優先順位
  • 出演者と撮影場所の候補
  • 公開する予定日と、使い続ける期間
  • 参考にしたい動画(好きなものと、避けたいものの両方)
  • 社内の確認者と、確認できる日程

「VPを作りたい」だけを伝えるより、この内容を渡したほうが、提案の質が上がります。提案を複数社から取るなら、同じ内容を渡さないと比べられません。まとめ方はWeb制作の提案依頼書(RFP)の書き方|書く項目とそのまま使えるひな形にひな形があります。

よくある失敗

会社の歴史から始める

創業の経緯や沿革から始めると、最初の数十秒で閉じられます。見る人が知りたいのは、自分にとって何の会社かです。歴史は、後半か、別の場所に置きます。

言いたいことをすべて入れる

事業、強み、実績、社員、設備、理念を全部入れると、何も残りません。伝える内容は3つまでに絞ります。

音声がないと伝わらない

Webでは、音を出さずに見られることが多くあります。字幕を入れ、画面だけでも分かる作りにします。

撮影の段取りが後回し

出演者、場所、日程の調整が遅れて、公開が延びるのはよくある話です。制作の初期に、撮影日を先に押さえます。

作って終わりにする

サイトのトップに置いただけで、誰も見ていない状態になります。どこに置くか、どこから案内するかを、作る前に決めておきます。

情報が古いまま使い続ける

人員、所在地、事業内容が変わっても、動画がそのままになっています。更新する範囲を最初から決めておくと、部分的な差し替えで済みます。

公開したあとにやること

  1. 置いた場所ごとに、見られているかを確認する:ページの再生回数、最後まで見られた割合を見る
  2. 営業や商談で使った反応を聞く:どの部分に質問が集まったかが分かる
  3. 短い版を追加で作る:撮影素材が残っていれば、追加の費用は抑えられる
  4. 年に1回は内容を見直す:数字、人、住所が変わっていないか確認する

いちどに完璧にする必要はありません。主な場面で使う1本を先に作り、反応を見て足していく形で十分です。

まとめ

  • 企業VPと会社紹介動画は、ほぼ同じ意味で使われる。VPは会社紹介動画の一種と考える
  • 呼び名で合わせず、「どこで、誰に、何をしてほしいか」を先に伝える
  • 商談・来客は長めで順序立てる。Webや展示会は短く、音がなくても分かる作りにする
  • 場面が複数なら、用途別に分ける。撮影は1回にまとめる
  • 伝えることは3つまでに絞る。入れないものを決める
  • 出演者と撮影日の調整が、いちばん時間がかかる。早めに押さえる
  • 作る前に、置く場所と更新の範囲を決めておく

京都市南区の株式会社HSEは、Webサイトの設計・制作と、動画の企画から撮影・編集までを同じ体制で対応しています。制作実績はこちらをご覧ください。

対応範囲はデザイン・Webと動画制作にまとめています。VPにするか会社紹介動画にするかの整理からでも構いません。お問い合わせからご相談ください。

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