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BtoBのショート動画はリールかTikTokか|媒体の違いと、続けられるかで決める

「ショート動画をやったほうがいいと言われるのですが、リールとTikTokのどちらですか」という相談があります。媒体の比較表はいくらでも出てきますが、BtoBの場合、比較の前に決めておくことがあります。

ショート動画を見た人は、その場では問い合わせません。見た人が後日、会社名で検索するか、社内で名前を出すか。そこまで行って初めて成果になります。つまり着地先を用意していないと、どちらを選んでも同じ結果になります。

この記事では、2つの媒体の違いと、自社がどちらに向いているかの決め方を書きます。動画そのものの作り方は採用動画の構成や展示会で流す動画にまとめています。

  • 媒体を選ぶ前に決めること
  • リールとTikTokはどこが違うか
  • BtoBで期待できること・できないこと
  • 選び方は3つの質問で決まる
  • リールが向いているとき
  • TikTokが向いているとき
  • 続けられるかで決まる
  • 両方に出すときは運用を1つにする
  • 何を見て判断するか
  • 着地先が無いと測れない
  • よくある失敗
  • まとめ

媒体を選ぶ前に決めること

先に決めるのは、この動画を見た人に、次に何をしてほしいかです。

BtoBの購買は、見てすぐ決まりません。検討期間が数か月あり、決裁者が複数います。ショート動画でできるのは、その検討が始まる前に名前を知っている状態を作るところまでです。

  • 会社名を覚えてもらう
  • 何をやっている会社かを覚えてもらう
  • 困ったときに思い出してもらう

この3つ以上を期待すると、どの媒体でも物足りません。逆に、この3つでいいと決めてしまえば、作るものも測るものもはっきりします。

もう1つ決めるのが、誰に見せたいかです。BtoBで言えば、決裁者本人はほとんど見ていません。見ているのは、その下で情報を集めている現場の担当者です。その人が社内で「こういう会社がありました」と名前を出すところまでが、現実的な到達点になります。

リールとTikTokはどこが違うか

同じ縦型のショート動画ですが、置かれている環境が違います。

Instagramリール TikTok
見られ方 フォロワー+おすすめ ほぼおすすめ
アカウントの見られ方 プロフィールを見に来る人が多い 動画単体で消費されやすい
会社情報の置き場 プロフィール・ハイライト・リンク プロフィールとリンク1本
既存の資産との接続 写真投稿・ストーリーズと地続き 単体で完結
初動の伸び方 フォロワー数に影響されやすい フォロワーゼロでも伸びることがある
社内の説明しやすさ 説明しやすい 説明が要ることがある

いちばん大きな違いは、アカウントそのものが見られるかどうかです。 リールは、動画を見た人がプロフィールに来ます。そこに実績や会社の雰囲気が置いてあれば、そのまま読んでもらえます。TikTokは動画が単体で流れていくので、アカウントまで来る人の割合が下がります。

逆に、TikTokはフォロワーが少ない状態でも動画が届きます。始めたばかりで知られていない会社にとっては、この差は小さくありません。

BtoBで期待できること・できないこと

媒体を問わず、BtoBのショート動画でできることは限られています。

期待できる 期待できない
社名と業種を覚えてもらう その場で問い合わせが来る
社内の雰囲気を伝える 商品の詳しい説明が伝わる
採用の母集団に触れる 決裁者に直接届く
指名検索を増やす 価格や条件の比較に使われる
既存の取引先に動きを見せる 商談の代わりになる

「問い合わせが来ないからやめる」という判断は、半年では早すぎます。 ショート動画は、問い合わせの直前ではなく、ずっと手前に効きます。やめるかどうかは、後述する指標で見ます。

一方で、期待できないことに時間を使わないのも大事です。 商品の説明を60秒に詰め込んでも、最後まで見てもらえません。説明はサイトの仕事です。ショート動画の仕事は、サイトを見に来てもらうことです。

選び方は3つの質問で決まる

媒体の性質を並べても決まりません。決まるのは、次の3つに答えたときです。

BtoBのショート動画でリールとTikTokを選ぶときの3つの質問

1つめは、Instagramのアカウントがすでにあるかです。 あって、写真投稿が月に数回でも動いているなら、リールから始めるほうが早く形になります。ゼロから2つ目のアカウントを育てるより、既にあるものの中に動画を足すほうが続きます。

2つめは、見せたい相手が決まっているかです。 業種や職種がはっきりしているなら、リールのほうが届きやすくなります。TikTokのおすすめは興味の方向で配られるので、狭い相手を狙うのには向きません。

3つめは、社内に出せる素材が続くかです。 現場の作業、製品、人。これが毎月出てくるならTikTokでも回ります。出てこないなら、どちらを選んでも3か月で止まります。

3つのうち2つ以上が「はい」ならリール、1つ以下でTikTokに出せる素材だけがあるならTikTok、という程度の目安で足ります。どちらも決め手が無いなら、やらない判断も含めて考えます。

リールが向いているとき

次のどれかに当てはまるなら、リールから始めます。

  • すでにInstagramで写真投稿をしている
  • 採用に使いたい(学生・若手の応募者がプロフィールを見る)
  • 製品や現場の見た目がきれい、または珍しい
  • プロフィールに置ける実績や写真が揃っている
  • 社内で「インスタ」という言葉のほうが通りやすい

リールの強みは、動画の外側に会社の情報を置けることです。 動画で興味を持った人が、プロフィールから固定の投稿、ハイライト、リンクへと進めます。この導線があるおかげで、1本の動画が単発で終わりません。

弱点は、フォロワーが少ないうちの初動です。最初の数か月は再生数が伸びません。ここで止めてしまう会社が多いので、最初の3か月は数字を見ないと決めておくほうがうまくいきます。

TikTokが向いているとき

次のどれかに当てはまるなら、TikTokを選びます。

  • Instagramのアカウントが無い、または動いていない
  • 見ていて面白い作業や工程がある(加工、組み立て、検査など)
  • 社内に動画を撮るのが好きな人がいる
  • 採用で、まだ接点の無い層に広げたい
  • 業界の知名度が低く、まずは知られたい

TikTokの強みは、フォロワーがいなくても動画が届くことです。 1本が伸びると、知られていない会社でも一気に見られます。製造業や建設業のように、普段見えない作業が映る業種は相性が良いほうです。

弱点は、伸びても会社の情報に行き着かないことです。動画が単体で消費されるので、プロフィールに最低限の情報とリンクを置いておかないと、伸びた分がそのまま流れます。

もう1つ、社内の合意が要ることがあります。「TikTokは遊びでは」という受け取られ方が残っている会社では、始める前に目的を説明しておくほうが後が楽です。

続けられるかで決まる

媒体の向き不向きより、結果を左右するのは本数です。

ショート動画を続けるために必要な素材と体制

最低ラインは月4本です。週1本です。これを1年続けられるかで考えます。48本分の素材があるか、という問い方をすると、現実が見えます。

素材は、新しく撮るものだけではありません。

  • すでにある撮影素材(制作実績、現場写真、インタビューの撮り残し)
  • 日常の作業(毎日やっていることほど、外から見ると珍しい)
  • 社内の人(入社したて、ベテラン、資格を取った人)
  • よくある質問(商談で毎回聞かれること)

この4つで足りないなら、本数が続きません。続かないと分かっているなら、ショート動画より、サイトの中身を厚くするほうが効きます。

担当も決めておきます。撮る人・編集する人・出す人が全部1人だと、その人が忙しい月に止まります。撮るところだけ現場に分担して、編集は外に出す形が現実的です。編集を外注するときの頼み方は動画編集を外注するときの注意点にまとめています。

両方に出すときは運用を1つにする

「どちらもやります」という判断自体は問題ありません。同じ動画を両方に出すのは、手間がほとんど増えないからです。

ただし、運用を2つ作らないことです。 企画・撮影・編集は1本にして、出す先だけ2つにします。媒体ごとに別の企画を立てると、工数が2倍になって両方止まります。

媒体に合わせて変えるのは、次の2点だけで足ります。

変えるもの 理由
1本目の数秒 見られ方が違うので、つかみの速さを変える
説明文とタグ 検索のされ方が違う

本編を作り直す必要はありません。最初の数秒だけ2パターン書き出す運用にすると、1本の制作で2媒体をまかなえます。

何を見て判断するか

再生数だけを見ていると、判断を誤ります。BtoBで見るのは次の4つです。

見るもの 何が分かるか 見る頻度
プロフィールの閲覧数 動画の後に会社を見に来たか 月1回
プロフィールからサイトへの遷移 サイトまで来たか 月1回
会社名での検索数 名前を覚えたか 3か月に1回
保存数 後で見返す価値があったか 月1回

再生数は、動画が面白かったかを表すだけで、会社に関心を持ったかは表しません。 10万回再生でプロフィール閲覧が20件なら、BtoBとしては効いていません。逆に、3,000回再生でプロフィール閲覧が200件なら、効いています。

会社名での検索数は、Google Search Consoleで見られます。ショート動画を始めてから、社名や「社名+業種」での表示回数が増えているかを3か月単位で見ます。ここが動いていれば、認知の面では成果が出ています。

着地先が無いと測れない

ショート動画を見た人が来る先が無いと、何をやっても測れません。最低限、次の3つは用意しておきます。

1つめは、プロフィールに置くリンクです。 トップページではなく、その動画のテーマに近いページに送るほうが読まれます。採用の動画なら採用ページ、製品の動画なら実績のページです。

2つめは、送った先のページそのものです。 送り先が整っていないと、せっかく来た人がそのまま戻ります。何の会社か、何ができるか、どこにあるかが、スクロールせずに分かる状態にしておきます。

3つめは、問い合わせの導線です。 ショート動画から来た人は、その日に問い合わせません。資料を見る、実績を見る、といった軽い行き先を置いておくと、名前だけでも残ります。

この3つが無い状態でショート動画を始めると、再生数だけが増えて、何も起きていないように見えます。動画の問題ではなく、受け皿の問題であることのほうが多いです。 サイト側で何を用意するかはホームページはなぜ必要?やサービスサイトとコーポレートサイトの違いも参考になります。

よくある失敗

  • 媒体の比較で止まる|どちらでも、続いた会社のほうが結果が出ます
  • 月1本で様子を見る|本数が少ないと、良し悪しの判断材料が貯まりません
  • 商品説明を詰め込む|最後まで見てもらえません
  • 再生数だけで判断する|BtoBでは、プロフィール閲覧のほうが意味があります
  • 着地先を用意しない|来ても何も起きません
  • 担当を1人にする|その人が忙しい月に止まります
  • 媒体ごとに別企画を立てる|工数が2倍になり、両方止まります
  • 3か月で判断する|認知は、もっと時間がかかります

まとめ

  • 媒体を選ぶ前に、「見た人に次に何をしてほしいか」を決める
  • BtoBのショート動画でできるのは、名前と業種を覚えてもらうところまで
  • リールはプロフィールまで来てもらいやすい。TikTokはフォロワーゼロでも届く
  • 決め手は3つ。Instagramが既にあるか/相手が決まっているか/素材が続くか
  • 本数の最低ラインは月4本。1年48本の素材があるかで考える
  • 両方に出すなら、企画・撮影・編集は1本にして、出す先だけ2つにする
  • 見るのは再生数ではなく、プロフィール閲覧・サイトへの遷移・社名検索
  • 着地先が無いと、どちらを選んでも測れない

京都市南区の株式会社HSEは、Webサイトと動画の両方を社内で制作しています。ショート動画の企画から、着地先になるページまで一貫して組めます。制作実績はこちらをご覧ください。

動画制作では、ショート動画の企画・撮影・編集に加えて、運用を続けられる形にするところまでお手伝いしています。どちらの媒体から始めるかの整理だけでも構いません。お問い合わせからご連絡ください。

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