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インタビュー動画の撮り方|質問リストと、撮影前に決めること

導入事例や社員インタビューの動画は、当日の撮影より前の準備で出来が決まります。カメラを回してから「何を聞こうか」と考え始めると、話が散らかり、編集で使える部分がほとんど残りません。

逆に、聞くことと撮り方を決めておけば、撮影そのものは1時間ほどで終わります。インタビューは、話がうまい人を連れてくる作業ではなく、普通に話してもらえる場を用意する作業だからです。

この記事では、撮影前に決めること、そのまま使える質問リスト、当日の音と画の整え方、聞き手のコツを順に書きます。

  • インタビュー動画は何に使うか
  • 撮影前に決める6つのこと
  • 話し手の選び方と、事前に渡すもの
  • 質問リスト(導入事例)
  • 質問リスト(社員・採用)
  • 当日の撮り方|音・画・背景
  • 聞き手のコツ
  • 自社で撮るか、頼むか
  • よくある失敗
  • 公開したあとにやること
  • まとめ

インタビュー動画は何に使うか

同じ「インタビュー動画」でも、用途によって聞くことが変わります。先にどれなのかを決めます。

導入事例インタビュー 社員インタビュー 代表インタビュー
話し手 取引先・利用者 現場の社員 経営者
見る人 検討中の見込み客 求職者 取引先・求職者
聞くこと 導入前の課題と、変わったこと 仕事の中身と1日の流れ 考え方と、向かう先
置く場所 サービスページ・事例ページ 採用ページ 会社概要・採用
長さの目安 2〜3分 1〜2分 2〜3分

一本で全部をまかなおうとすると、どの用途にも中途半端になります。用途ごとに分けるか、どれを主にするかを決めてから台本を作ります。動画の形を場面から決める考え方は、企業VPと会社紹介動画の違い|使う場面から決める、作る前の整理にまとめています。

撮影前に決める6つのこと

インタビュー動画の撮影前に決める6つのこと

1. 見る人と、見たあとにしてほしいこと

誰に見せるかで、聞く内容が変わります。見込み客なら「自分の会社と似ている」と思ってもらうことが目的です。求職者なら「ここで働く自分が想像できる」ことが目的になります。

2. 1本の長さ

長くなるほど、最後まで見られません。インタビューは2〜3分を目安にします。素材がたくさん撮れたときは、長い版と、要点だけの短い版を分けて書き出します。

3. 話し手

次の節に書きます。ここで決めておかないと、撮影日が動きます。

4. 撮影場所と日程

会議室、執務スペース、現場。場所によって音の条件が大きく変わります。空調の音、外の車の音、隣の部屋の話し声を、下見のときに実際に録って確認しておくと確実です。

5. 字幕を入れるか

Webでは音を出さずに見られることが多くあります。字幕を前提にするなら、話し手に「ゆっくり、一文を短く」と伝えておくと、あとの作業が楽になります。

6. 確認する人と、公開日

社内の誰が最終確認するのか。取引先に出てもらう場合は、先方の確認と公開許可が必要です。ここを撮影後に詰め始めると、公開が大きく遅れます。依頼のまとめ方は動画編集を外注するときの注意点|失敗しない指示書の作り方に項目を書いています。

話し手の選び方と、事前に渡すもの

選び方

話がうまい人より、その話を実際にやった人を選びます。導入事例なら、実際に使っている担当者です。決裁した役員より、日々触っている人のほうが具体的な話が出ます。

社員インタビューなら、入社1〜3年目の人が向くことが多いです。入社前に何を不安に思い、入ってみてどうだったかを、まだ覚えているからです。

事前に渡すもの

撮影の数日前に、次の3つを渡します。

  • 質問の一覧(当日聞くものをそのまま)
  • 当日の流れと時間(何時から何分、何回撮り直すか)
  • 服装の希望(細かい柄や、ロゴの大きい服は避けてもらう)

質問を先に渡すと「用意した答えを読むだけになる」と心配されますが、実際には逆です。何を聞かれるか分からないほうが身構えます。答えを暗記してこないよう、「この場で思い出しながら話してください」と添えて渡すと、ちょうどよくなります。

質問リスト(導入事例)

導入事例は、見込み客が自分と重ねられる順番に聞きます。

順 質問 引き出したいこと
1 お名前と、普段のお仕事を教えてください 誰の話かを見る人に示す
2 依頼する前は、どんなことで困っていましたか 見込み客が自分と重ねる部分
3 それは、いつ頃からの課題でしたか 困りごとの大きさ
4 社内では、どう対応していましたか 他の手段では解決しなかった理由
5 何がきっかけで、相談しようと思いましたか 動き出す理由
6 選ぶときに、何を比べましたか 判断の基準
7 決め手になったのは何でしたか 選ばれた理由
8 進めている間、印象に残っていることはありますか 進め方の様子
9 完成して、何が変わりましたか 結果
10 社内やお客様から、どんな声がありましたか 第三者の反応
11 似た悩みを持つ会社に、何と伝えますか 見込み客への後押し

2と9は必ず入れます。この2つがないと、ただの感想になります。9は数字で答えられなくても構いません。「問い合わせの電話で説明する時間が減った」のような具体的な場面のほうが、見る人には伝わります。

質問リスト(社員・採用)

採用向けは、仕事の中身と人柄が見えるように聞きます。

順 質問 引き出したいこと
1 担当している仕事を教えてください 役割
2 1日の流れを、朝から順に教えてください 働く様子の具体
3 入社前は、何をしていましたか 求職者との重なり
4 入る前に、不安だったことはありますか 求職者が今感じていること
5 入ってみて、思っていたのと違ったことは 正直さ
6 いちばん大変だったことは何ですか 仕事の実態
7 どんなときに、やっていてよかったと思いますか やりがい
8 一緒に働く人は、どんな人が多いですか 雰囲気
9 どんな人が向いていると思いますか 求職者の自己判断
10 これからやってみたいことは何ですか 先の見通し

5を飛ばさないことが肝心です。良いことだけが並ぶ動画は、求職者に信用されません。多少の「大変さ」が入っているほうが、全体の説得力が上がります。

当日の撮り方|音・画・背景

インタビュー撮影のセッティング

音がいちばん大事

映像が多少あらくても見られますが、音が聞き取れない動画は見てもらえません。優先順位は音が先です。

  • カメラの内蔵マイクだけで撮らない。襟元に付けるピンマイクか、話し手の近くに置くマイクを使う
  • 録る前に空調を止める。止められないなら、吹き出し口から離れる
  • 携帯は機内モードにする。振動の音も入る
  • 撮影が始まったら、聞き手は相づちを声に出さない。うなずくだけにする(相づちが入ると編集で切れなくなる)

画の作り方

  • カメラは話し手の目の高さに合わせる。見下ろす角度、見上げる角度はどちらも不自然に見える
  • 画面の中で、話し手は中央から少し寄せる。視線の先に余白を取ると落ち着きます
  • 可能なら2台で撮る。1台は上半身、もう1台は少し寄りにすると、編集で言い間違いの部分をつなげます
  • 1台しかないときは、インタビューのあとに手元や仕事中の様子を別に撮っておく。同じ目的で使えます

光と背景

  • 窓からの光を顔の正面か斜め前から当てる。窓を背にすると、顔が暗くなります
  • 背景は、会社らしさが分かるものを選ぶ。ただし、文字が多い掲示物やホワイトボードは、内容が写り込むので外します
  • 背景に余計なものが多いときは、壁から離れて座ってもらうと背景がぼけて落ち着きます

撮影の進め方

  1. 本番前に雑談しながら少し回し、声の大きさと画を確認する
  2. 質問を復唱して答えてもらう(「導入前の課題は、〜でした」のように)。聞き手の声を使わずに編集できます
  3. 言い間違えたら、その文の最初からもう一度言ってもらう。撮り直しは普通のことだと先に伝えておく
  4. ひととおり終わったら、「言い足りなかったことはありますか」と聞く。ここで良い話が出ることが多くあります

聞き手のコツ

  • 沈黙を埋めない。考えている3〜5秒を待つと、用意していない言葉が出ます
  • 「はい・いいえ」で終わる質問を避ける。「〜はどうでしたか」「そのとき何を考えましたか」と開いて聞く
  • 社内でしか通じない言葉が出たら、その場で「それは、どういうものですか」と聞き直す
  • 良い言葉が出たら、言い方を変えてもう一度聞く。同じ内容を2通り持っておくと、編集で選べます
  • 台本どおりに進めることを目的にしない。話が広がったら、そちらを追う

自社で撮るか、頼むか

自社で撮る 制作会社に頼む
向く場合 社内向け、本数が多い、更新が頻繁 対外的に出す、取引先に出てもらう
必要なもの マイク・三脚・編集の手間 予算と日程の調整
利点 撮り直しがすぐできる 音と画が安定する、聞き手を任せられる
注意点 音の失敗に気づきにくい 当日までの準備は結局社内でやる

取引先に出てもらう事例動画は、社外の人の時間をもらうので、やり直しがききません。ここは頼むほうが無難です。社員インタビューを継続的に出していくなら、機材を揃えて社内で回す形も現実的です。

Webと動画を同じ窓口で頼むかどうかの判断は、Webと動画を一括で依頼するか、分けて頼むか|違いと決め方に書いています。

よくある失敗

音を後回しにする

いちばん多い失敗です。撮り終わってから「エアコンの音で聞き取れない」と気づいても、撮り直すしかありません。録り始める前に、ヘッドホンで実際の音を聞いて確認します。

質問を当日その場で考える

話が散らかり、同じ話が繰り返されます。編集で削る量が増え、使える部分が減ります。

答えを読み上げてもらう

原稿を用意して読んでもらうと、表情が止まり、人が話している感じが消えます。要点だけ伝えて、言葉は本人に任せます。

良い話だけを集める

褒め言葉だけが並ぶと、作ったものに見えます。困っていたこと、大変だったことを入れると、全体が信用されます。

撮影後の許可を取っていない

取引先に出てもらった場合、公開範囲(自社サイトのみか、広告にも使うか)と期間を書面で確認しておきます。撮影の前に伝えるのが筋です。

1本しか書き出さない

同じ素材から、短い版、SNS用の縦型、質問ごとに切った版を作れます。撮影のあとに決めるのではなく、最初から何本に分けるかを決めて撮ります。

公開したあとにやること

  1. 置き場所を増やす:事例ページ、サービスページ、提案資料、採用ページ、営業メール
  2. 文字でも残す:話した内容を記事にすると、検索から見つかる入口が増えます
  3. 営業で使った反応を聞く:どの場面で見せると効くかが分かります
  4. 出てくれた人に完成を伝える:取引先なら、先方のサイトやSNSでも使ってもらえることがあります
  5. 次の撮影に反映する:聞き足りなかった質問を、次のリストに足します

1本目から完璧にする必要はありません。用途を1つに絞って1本撮り、反応を見て増やすのが続けやすい形です。

まとめ

  • 用途(導入事例・採用・代表)を先に1つ決める。1本で全部はまかなえない
  • 撮影前に、見る人・長さ・話し手・場所・字幕・確認者と公開日を決める
  • 話し手は、話がうまい人より、その仕事を実際にやっている人を選ぶ
  • 質問は数日前に渡す。暗記はしてこないよう伝える
  • 導入事例は「依頼する前の課題」と「完成して変わったこと」を必ず聞く
  • 採用は「思っていたのと違ったこと」を飛ばさない
  • 音を最優先にする。ピンマイクを使い、空調を止め、聞き手は声を出さない
  • 質問を復唱して答えてもらうと、編集が楽になる
  • 沈黙は3〜5秒待つ。埋めない
  • 1回の撮影から、長い版・短い版・縦型を分けて書き出す

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