コーポレートサイトのリニューアル|時期の見きわめ方と進め方

コーポレートサイトのリニューアルは、多くの会社で数年に一度しか発生しません。そのため「いつやるべきか」「何から手をつけるか」が社内に蓄積されず、判断が先送りになりがちです。
この記事では、リニューアルを検討する時期の基準と、企画から公開までの進め方、そして公開前に必ず確認すべき項目を整理します。弊社が2026年9月に自社サイトをリニューアルした際の実際の数値も載せています。
- リニューアルを考えるべき5つのサイン
- リニューアルの進め方(6ステップ)
- 公開前に必ず確認する5つのこと
- 実際に起きた失敗
- まとめ
リニューアルを考えるべき5つのサイン
見た目の古さは、リニューアルの理由としては弱いものです。次のどれかに当てはまる場合は、事業上の損失が発生している可能性があります。
1. スマートフォンで見づらい
企業サイトへのアクセスは、業種によりますが半分以上がスマートフォンからです。文字が小さい、横にはみ出す、メニューが押しづらいといった状態は、そのまま離脱につながります。
2. 自社で更新できない
制作会社に依頼しないとお知らせ1件も出せない状態では、情報が止まります。更新が止まったサイトは、訪問者に「この会社は動いていないのではないか」という印象を与えます。
3. 採用で見られる前提になっていない
求職者は応募前にほぼ必ず会社を検索します。仕事内容、職場の様子、働く人が分かる情報がなければ、応募の判断材料がありません。BtoBの製造業や建設業ほど、この影響は大きくなります。
4. 問い合わせの導線がない、または動いていない
問い合わせフォームが電話番号の記載だけになっている、あるいはフォームからのメールが届かなくなっている例は珍しくありません。後者は気づきにくく、長期間放置されます。
5. 表示が遅い
表示速度は、訪問者の離脱率と検索順位の両方に影響します。とくに画像が重いサイトは、モバイル回線で数秒待たされます。
リニューアルの進め方(6ステップ)

ステップ1 目的を1つに絞る
「採用応募を増やす」「問い合わせを増やす」「取引先への信用を高める」のどれを主目的にするかを決めます。すべてを同時に狙うと、どのページも中途半端になります。
ステップ2 現状を数字で把握する
アクセス解析と検索データを確認し、今どのページが見られているか、どの語で検索されているかを把握します。データがない場合は、この時点で計測を入れておくと、リニューアル後の比較ができます。
ステップ3 サイトマップ(ページ構成)を決める
必要なページと、その優先順位を決めます。既存ページをそのまま移すのではなく、見られていないページは統合や削除を検討します。
ステップ4 原稿と素材を集める
実際にいちばん時間がかかる工程です。写真撮影、実績の掲載許可、サービス説明の原稿など、社内で決めるべきことが集中します。ここが遅れると全体が遅れます。
ステップ5 デザインと実装
デザインの確認は、必ずスマートフォンの画面幅でも行ってください。パソコンの画面だけで承認すると、公開後に「スマホで見たら印象が違う」という手戻りが起きます。
ステップ6 公開前の確認と切り替え
次の章で詳しく説明します。ここを省略すると、それまでの積み上げを失います。
公開前に必ず確認する5つのこと

1. 旧URLからの転送(301リダイレクト)
リニューアルでページのURLが変わると、これまで検索結果や他社サイトから来ていた訪問者が「ページが見つかりません」に飛びます。検索エンジンからの評価も引き継がれません。
弊社が2026年9月に自社サイトをリニューアルした際は、旧サイトのURL33本すべてに転送設定を行い、公開前に1本ずつ着地先を確認しました。この作業は地味ですが、リニューアルで最も損失を防ぐ工程です。
2. スマートフォンでの表示速度
Googleが公開しているLighthouseという指標で確認できます。弊社サイトの場合、公開前の測定でスマートフォンの表示速度が50〜63点でした。原因は3つで、日本語Webフォントの読み込み、画像の容量、読み込み直後にレイアウトがずれる問題でした。
これらを直した結果、85〜100点まで改善しています。レイアウトのずれを示す数値(CLS)は0.55から0.04以下になりました。数値そのものより、「読み込み中に文字や画像が動かない」状態にすることが重要です。
3. 問い合わせフォームが実際に届くか
テスト送信を行い、管理者宛のメールと、送信者への自動返信の両方が届くことを確認します。迷惑メールフォルダに入っていないかも見てください。フォームの不具合は、気づかないまま機会を失い続けます。
4. メールとドメインの設定
独自ドメインでメールを使っている場合、サイトの引っ越しでDNSの設定場所が変わると、メールにも影響します。MXレコードなど、メール関連の設定を移行先に正しく引き継ぐ必要があります。
5. 検索エンジンに出さない設定の解除
制作中のテスト環境では、検索結果に出さない設定(noindex)を入れておくのが一般的です。これを本番公開時に解除し忘れると、いつまで経っても検索結果に出てきません。リニューアルの失敗として実際に多いものです。
実際に起きた失敗
弊社の自社サイトリニューアルでは、ドメインの向き先を切り替える作業で、設定が完了していない状態のまま切り替えを実行してしまいました。その結果、最大で45分ほど、サイトとメールの名前解決ができない時間が発生しました。
原因は、新しい管理画面側のドメイン登録が「設定未完了」のままだったことです。切り替え前に、新しい設定先が正しく応答するかを確認していれば防げました。
リニューアルの切り替え作業は、平日の午前中に行い、直後に表示とメールの両方を確認する体制を取ってください。何かあっても当日中に対応できます。
公開後2日でフォームに海外からのスパムが届いた点も、記録として残しておきます。公開直後のサイトは、自動送信プログラムの標的になります。ロボット判定の仕組みをあらかじめ入れておくと安全です。
まとめ
コーポレートサイトのリニューアルは、デザインを新しくする作業ではなく、目的を決めて、情報を整理し、公開後も運用できる形にする作業です。
- リニューアルの判断は、見た目ではなく事業上の損失で決める
- 目的は1つに絞る
- 原稿と素材集めに最も時間がかかる
- 公開前の確認(転送・速度・フォーム・メール・検索設定)を省略しない
京都市南区の株式会社HSEでは、コーポレートサイトの制作から公開後の運用までを一貫して行っています。自社サイトも同じ方法で構築し、公開しています。リニューアルの進め方や費用感については、お問い合わせからご相談ください。制作実績はこちらでご覧いただけます。